移住フェアとは?なぜ相談窓口を使うべきか

移住フェアとは、複数の自治体や移住支援団体が一堂に会し、来場者が各ブースを回って移住相談ができるイベントの総称です。代表的なものに、認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが年1回開催する「ふるさと回帰フェア」や、移住・交流推進機構(JOIN)による「JOIN移住・交流&地域おこしフェア」があります。一つの会場で多数の自治体担当者と直接話せるため、候補地を絞り込む前の段階でも横断的に比較検討できます。

「フェア」と混同されやすいのが「常設相談窓口」です。フェアが年に数回の単発イベントであるのに対し、常設相談窓口は平日を中心に通年で相談を受け付けています。総務省の調査によれば、令和6年度時点で都道府県が設置している常設の移住相談窓口は全国で179箇所(首都圏69箇所、近畿圏28箇所、中京圏9箇所など)にのぼり、フェアよりも継続的に利用できる相談経路として整備されています。

どちらを使うべきかは検討段階によって変わります。候補地がまだ絞れていない情報収集の段階では合同フェアで広く比較し、候補地が数県に絞れた段階ではその県の常設窓口で個別相談を深めるのが効率的です。このタイミングの位置づけは、移住の流れ5ステップガイドでも整理しています。

移住相談窓口・フェアの4タイプを徹底比較

一口に「相談窓口」「フェア」といっても、運営主体や開催頻度が異なる4つのタイプに分けられます。この体系を知っておくと、今の自分に合った窓口を選びやすくなります。

  • 常設相談窓口(都道府県設置):総務省調査に基づき都道府県が設置する窓口。平日中心に通年で個別相談を受け付けています。
  • 自治体主催フェア(単発・地元/現地開催):市町村や都道府県が単独で開催する相談会。開催地・時期は自治体ごとに異なります。
  • JOIN・ふるさと回帰支援センター主催の合同フェア(全国横断型):年1回程度、東京都内の大型会場で全国の自治体が同時に出展します。
  • オンライン相談・セミナー(Zoom等):自治体や窓口がオンラインで実施する個別相談・セミナー。対面窓口に加えた選択肢として定着しつつあります。
移住相談窓口・フェア 4タイプの比較
タイプ開催頻度の傾向主な場所向いている人
常設相談窓口(都道府県設置)通年(平日中心)都道府県庁所在地・東京事務所など特定の県にすでに関心がある人
自治体主催フェア単発(自治体ごとに時期は異なる)現地または都市部の会場候補地がある程度絞れている人
JOIN・ふるさと回帰の合同フェア年1回程度(例年秋頃の傾向)東京都内の大型会場候補地がまだ絞れていない人
オンライン相談・セミナー随時〜定期開催(窓口による)自宅などからZoom等で参加遠方在住・平日日中に動けない人

※開催頻度・開催時期は年度や自治体によって変動します。最新情報は各窓口・フェアの公式サイトでご確認ください。

この4分類は、「都道府県単独か合同開催か」「通年か単発か」という2軸で整理できます。常設相談窓口と自治体主催フェアは特定の自治体とのつながりを深めるのに向き、合同フェアは複数自治体を一度に比較するのに向いています。

主要な相談窓口・フェアまとめ(全国版)

ふるさと回帰支援センター(東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館8F、電話 03-6273-4401)は、認定NPO法人が運営する国内最大級の移住相談窓口です。44都道府県1政令市の専属相談員が常駐しており(2025年4月現在)、窓口相談に加えて電話相談・オンライン相談(Zoom)にも対応しています。営業時間は10:00〜18:00、月曜・祝日・年末年始・夏季休暇は休館です。年1回の「ふるさと回帰フェア」は例年9月頃に東京国際フォーラムで開催され、2024年は2日間で2万8,800人が来場しました。

JOIN 移住・交流情報ガーデン(東京都中央区京橋1-1-6 越前屋ビル1F、東京駅八重洲中央口から徒歩4分)は、JOINが運営する入場無料・予約不要の相談スペースです。営業時間は平日10:00〜18:00、土日祝10:00〜18:00(2026年4月1日より営業時間改定)、月曜(祝日の場合は翌営業日)休館。自治体作成のパンフレットや資料が並び、地方の仕事・農業支援に関する情報も扱っています。年1回の「JOIN移住・交流&地域おこしフェア」は例年秋頃(2025年は11月、東京ビッグサイト)に開催され、全国300以上の自治体が出展します。

各都道府県の常設相談窓口は、総務省が「都道府県が設置している常設の移住相談窓口」として一覧を公表しています。令和6年度調査では全国179箇所の窓口が確認されており、所在地や相談方法は都道府県ごとに異なります。お住まいの候補地の窓口を調べる際は、総務省の一覧または各都道府県の移住ポータルサイトで最新の設置状況を確認してください(窓口名・連絡先は年度によって更新されるため要確認)。

フェアの開催日程について

  • 個別フェアの具体的な開催日程は年度により変動します。ふるさと回帰フェアは例年9月頃、JOIN移住・交流&地域おこしフェアは例年秋頃(直近は11月)に開催される傾向がありますが、正確な日程・会場は必ず各公式サイトで確認してください。

自分に合う窓口の選び方

4タイプのうち、どれから使い始めるべきかは、候補地との関わりの深さや今の生活状況によって変わります。

  • 候補地がまだ絞れていない:ふるさと回帰フェアやJOINフェアのような合同フェアから広く情報収集するのが向いています。一度に多くの自治体担当者と話せるため、候補地の幅を広げる段階に適しています。
  • 候補地が2〜3県に絞れた:該当する県の常設相談窓口、またはその自治体が主催するフェアで個別相談を深めるのが効率的です。住まい・仕事・子育て環境など具体的な条件を掘り下げやすくなります。
  • 遠方在住・平日は動けない:まずはオンライン相談やセミナーから始める方法があります。ふるさと回帰支援センターのようにZoomでの個別相談に対応している窓口も増えています。

フェア・相談の活用法(準備〜当日〜フォロー)

せっかく相談窓口やフェアを利用するなら、事前準備と当日の動き方次第で得られる情報の量が変わります。

  • 事前準備:仕事・住まい・子育て・医療など聞きたいことをリスト化しておくと、限られた相談時間を有効に使えます。合同フェアは出展自治体数が多いため、事前に公式サイトで出展一覧を確認し、優先的に回るブースを決めておくと効率的です。
  • 当日の回り方:候補地が絞れていない段階では条件が近い自治体を複数回り、支援制度や仕事の探しやすさなど同じ質問を横並びで聞くと比較しやすくなります。候補地が絞れている場合は、1つの自治体でじっくり時間をかける方が実のある相談になります。
  • 相談後にやること:相談で得た情報をもとに現地を訪れる、あるいはお試し移住で数日〜数週間滞在してみるという次のステップに進むと、相談段階では見えなかった生活実感を確かめられます。

よくある質問(FAQ)とまとめ

  • Q. 移住フェアは誰でも参加できますか?
    A. ふるさと回帰フェア・JOINフェアともに入場は無料で誰でも参加できます(JOINフェアは事前登録が必要な回もあるため公式サイトで確認してください)。移住をまだ具体的に検討していない段階でも参加できます。
  • Q. オンライン相談だけで移住先は決められますか?
    A. オンライン相談は情報収集や候補地の絞り込みには有効ですが、住まいや生活環境の実感を確かめるには現地訪問やお試し移住を組み合わせるのが確実です。
  • Q. 相談・参加は無料ですか?
    A. ふるさと回帰支援センター・JOINともに窓口相談・フェア参加は無料です。ただし各自治体が主催する個別フェアやセミナーは、内容によって参加費が発生する場合もあるため事前に主催者へ確認してください。

「移住フェア」「移住相談窓口」という言葉でくくられがちですが、実際には常設相談窓口・自治体主催フェア・合同フェア・オンライン相談という運営主体も頻度も異なる4つの仕組みが存在します。この全体像を知っているかどうかで、今の自分に合った相談先を選びやすくなります。

次のステップとしては、候補地がまだ絞れていない方はふるさと回帰フェアやJOINフェアの開催情報を公式サイトで確認すること、候補地が絞れている方は該当県の常設相談窓口を調べることから始められます。相談で得た情報をさらに深めたい場合は、地域おこし協力隊の制度を調べたり、お試し移住で現地の生活を体験したりする方法もあわせて参考にしてください。

出典